【レポ】五感から味わうTerroir seedsという旅 in sansa | terroir.link

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【レポ】五感から味わうTerroir seedsという旅 in sansa

赤坂駅を出て六本木方面に坂を上ること約五分ほど。
お洒落な街角にひっそりと居を構えるsansaは、世界各国のビールを最適のグラスで飲むことができるビアバー。

打ちっぱなしのコンクリートがモダンな印象を与えるが、それでいて不思議と居心地のよい雰囲気を出しているこのsansaで、2020年2月23日、東京初のTerroir seeds in Tokyoが開催された。

Terroir(テロワール)という言葉を、あなたはご存知だろうか?

土地を意味するフランス語terre(テラ)から派生した言葉で、「土壌」「生育環境」などと訳すことができる。

出会ってくれた一人ひとりを、自身の中にあるテロワールに目覚めさせていくという趣旨で催される、本イベント。

sansaに足を運ぶと、3人の主催者が迎えてくれた。

「敦、来てくれてありがとう!!」

優しい眼差しと握手で迎えてくれるのは、本イベントのナビゲーターを務めるテロワールミュージシャン・中田雅史氏。

彼は北海道小樽市の銭函を拠点に、全国を旅しながら風土を醸していっているという。

Terroir seedsは彼を中心に、全国で開催する予定とのことである。

東京初の本イベントには、スペシャルゲストが2人いた。

耳を澄ますと、普段耳にしない心地よい音が一定のリズムで鳴っていることに気付く。

「これはね、健康な臓器の音」

不思議がる筆者にそう教えてくれたのは、イーマ・サウンドR調律師・柔道整復師の鈴木ゆかこ女史。

人生の悩みや様々な症状に対し、音を通して解決をサポートしてきたという鈴木女史。

「身体の不調も人生の不調も、音に出るんです」

「解決するのは私じゃなくて、その人自身。クライアントさん自身が選択して初めて、そのお手伝いができるんですよね」

ハキハキと笑顔で語る彼女の空気感には、いい風が感じられる。

「あなたがライターの敦さんね!噂はかねがね聞いていますよ」

人懐っこい笑顔で声をかけてくれたのは、北海道せたな町にて、自然循環農法で野菜を栽培しているソガイハルミツ氏だった。

2019年1月から全国で上映された映画「そらのレストラン」のモデルとなった「山の会」メンバーだ。聞くところによると、本イベントでは、彼が育てた野菜をふんだんに盛り込んだ創作料理を食べながらテロワールの話を聞けるらしい。

(どんな美味しいものが食べられるんだろう……)

一瞬だけ食べ物のことで頭がいっぱいになったのはここだけの秘密だ(秘密になってない)

音楽・音・食からどのようなテロワールが展開されるだろうか。

澄んだ空間に想いを馳せる。

「農学部から博士号まで進み、お米のたんぱく質について研究しています」

「病気になっても、それすらも私の一部だから切り離したくないなって思っています」

「看護師ですが、西洋医学だけでなく様々な治療法や選択肢があることが面白いなあと思っていたら色々な情報が入ってくるようになりました」

参加者も、本当にご縁があってお越しになったのだなあと思わせてくれる方ばかり。

メインディッシュと言っても過言ではないくらい濃く、盛り上がる自己紹介タイムだった。

「僕の意図するテロワールが何なのか。、実は全貌はまだ分かっていないんだよね。こういう機会を沢山作って、皆で知って生きたいなって思っています」

人間味溢れる中田雅史氏の導入で、会は始まる。

1. 香りを聞く

中田雅史氏がまず取り出したのは、地球を表現した青い香炉だった。

彼がこの日行ったワークショップ「薫る瞑想~EARTH Breathing」は、香りをたしなむ「聞香」からインスパイアされて生まれたワークショップだ。その開発者である木下薫が抱く平和への祈りが、香道の聞香の中に自然との共生・地球家族を見出した。

この青い「地球香炉」には、木下氏の眼差しが詰まっているのだ。

木下氏と出会ってすぐに意気投合した中田雅史氏は、ティーチャーとしてワークショップをする資格を与えられることになったのだとか。

和気あいあいと談笑をはさみながら、準備は進む。空のような海のような模様をした地球香炉の中には灰が山の形に敷かれ、その山の中心に熱した炭が埋められる。この形態は火山、そして地球そのものを象徴しているという。

炭の上には「銀葉」と呼ばれる四角い雲母を一枚乗せ、その上に香木が置かれる。

使われる伽羅は、1gあたりの値段が金よりも高値である希少な香木。ベトナムのごく限られた地域でしか見つかっていないらしい。

中:右鼻左鼻片方ずつで聞いてみて。極楽だから。

「 薫る瞑想~EARTH Breathing」 協賛 香徳学舎 木下薫 

手本を見せてくれた雅史さんは、香りを聞くといつもに増して穏やかな表情になる。

一人ひとり香りを聞いていく。

控え目で落ち着きのある甘い香りに、全員が笑顔になった。

「何か、嗅いだことのある匂い」

「バニラっぽいかも!」

五感の中で嗅覚だけが、本能に直接アクセスするといわれている。

香りを聞くことで、会場全体がより深いリラックス状態に入ったように感じられた。

2. 味覚で知る

本イベントで出される料理一品一品に、ソガイ氏が自然循環栽培により育てた野菜や彼の仲間が営む牧場タカラのチーズがふんだんに使われている。

一つひとつ素材の味を活かして料理してくれたのはsansaのオーナー・橋本カズヒコ氏(通称ハッシー)。

穏やかで、笑顔も声も癒しのオーラを放っている素敵男子だ。

1品目…鰹と昆布と、ソガイ農園で採れた大根を干して出汁をとったおすまし。

ソ:僕はこれを皆さんに食べてほしくてイベントを主催したといっても過言ではないんですよ。

笑顔で語るソガイ氏。

おすまし1品にそれほどまでの思い入れが込められているとは。

味わってみると、とても優しい出汁の風味ににピリッと大根のアクセントが効いている。

 2品目…3種の大豆とか青首大根と赤カブと、牧場タカラのタカラチーズがけ

自然の力で育てられた中身のしっかりした大豆たちに、カブが食感で、チーズが風味を彩ってくれる

3品目…牧場タカラのヤッコチーズ ~オリーブ、塩、ソガイ農園で採れたトマトを使ったソースを添えて~

 極上の滑らかさに、オリーブオイルとトマトの自然な味わいがたまらない。

4品目…さやあかねのフライドポテト

砂糖を使っていないはずなのに、驚くほどくっきりとした甘みがあった。

5品目…黒丸大根の丸焼き 

 ・食の5段階欲求

ソ:マズローという心理学者は人間の欲求を5段階に分けましたが、僕は食にも5段階あると思っていて。

最初の欲求は、生存本能とも言える『お腹を満たすこと』。

それができたら次は、美味しいものが食べたくなる。小学生には小学生なりの、高校生には高校生なりの美味しいものがありますよね。

美味しいものを食べて味覚が満たされてくると、今度は身体によいものが食べたくなる。美味しいと感じるだけでなく、それが健康的であればなお良いと思うようになるんです。

第4段階からは、食に求めるものが自分の身体から外へ移ります。自分が食べている肉や魚や野菜が育っている環境も大事な要素として考えるようになる。

第5段階は、自分がその食材を食べることでどういった社会になるのかに関心を持ち、一つひとつの買い物に対し、意志を持って選択するようになります。

祐可子さんがさっき「『自分のため』が結果他人のためになっている」という生物のあり方は本当にその通りだと思っていて、裏を返せば、ボランティアとか他人のためにやっていることっていうのも結局、自分が気持ちよくなりたくてやっていること。救われる気持ちになるからやっていることなんですよね。それが結果的に人のためになっているという順番。それは決して悪いことではないと僕は思っています。

そのあり方やプロセスを考えると、食の欲求を段階的に満たしていくことで個人の食の質が上がり、それにより何を食べるかという選択がより大きな影響を世の中に与えるようになる。そうやって一人ひとりが、より良い世の中にするために食事を選ぶことで、利己主義と利他主義の垣根がなくなっていく。世のため人のためが回りまわって自分のためになっていることを言うことを体感する。

それが腑に落ちると、利己的に他人から搾取する必要がなくなる。

大きな話に聞こえるかもしれないけれど、世界平和だって、この自他の利害という垣根を越えた先に存在すると信じています。

祐:欲求の段階につなげて話をすると、私は色々な人の人生の相談に乗りますが、『最終的に何がしたいのか』というところが定まっていないと、好転には向かわない。

何か願いがあった時には、その願いが叶った先までハッキリ描くことが大事なんです。クライアントの方には、最終的には1日24時間の行動とその目的を書き出してもらいます。

例えば朝起きるのでも、だるいな、嫌だなと思いながら起きるのと自分の生きる目的のために起きるのでは、分泌されるホルモンの質が違ってきます。

だるいな、嫌だなと思って起きると、脳の苦痛系という部位が働き、ノルアドレナリンやコルチゾール等を分泌します。コルチゾールというホルモンは、抗炎症や血管の収縮、免疫抑制と不可欠なはたらきを複数してくれますが、分泌が続けば、過剰に免疫を低下させてしまうこともあります。

一方で、遠足が楽しみだとか、楽しいことや明確な動機がある状態で起きると、報酬系という部位が働き、幸せホルモンと言われるセロトニンやエンドルフィンの分泌が促進されます。セロトニンには体内機能や精神を安定させるはたらきが、エンドルフィンには免疫強化や治癒力向上、老化防止などのはたらきがあります。

起きるのは、だるいなあ嫌だなあと思った瞬間、何のために起きるかを考え直してみると、それだけでも生活や健康の質が向上します。

「何のために」ということの話を続けると、『一日100回ありがとうを言おう』とか聞いたことあります?ああいう習慣も、なぜ、何のためにありがとうを言うのかがポイントです。例えばそれが『借金しないように運気を上げたい』という意図だと、脳の中に借金をイメージしてしまっているので、借金に近づいていくことになります。

脳はイメージしていることを実現しようとする性質がありますから、どんな前提をイメージしているかがとても重要です。

中:『何のために』は、先のことでもあり、原点でもあると思っていて。音楽とかも、クリエイティブな活動領域のルーツがすごい大事なんだよね。

クリエイティブな人たちの間ではそれを土壌とかテロワールという言い方はしないけど、それぞれの中にルーツが存在するんだよね。

ある人が言ってくれて共感した話なんだけど、僕らの時代ってYoutubeとかで、気軽に聞きたい音楽を聴いたり新しい音楽を探したりできる。

それは嬉しいことでもあるけれど、同時に情報の取捨選択が難しいと言う側面もある。

本質をかぎ分けられる人はルーツの重要性に気付くから、そこへ行ける。

だけど、かぎ分けられない人はそこに到達することができない。

選択肢が多すぎて迷路のような時代。そんな中、ミュージシャンのカバーをしているユーチューバーに憧れる人たちなんかも現れている。

その憧れる人たちがユーチューバーだけをルーツとしたら、原点の原点を深堀りしていなかったら、料理で言うとポテトグラタンから入ってしまうことと同じなんだよね。

ジャガイモがどんな風に育つかを知らずに、ポテトグラタンから新しい何かを創ろうとしてしまう。

でも、過去の音楽で今に残っているものはわらべ歌とか童謡とか、普遍的なものが多い。それだけ愛されてきたものということだから、ルーツを辿って過去を学び、それを自分たちに生かしていくことが大事だと思う。

僕は尾崎豊にビビッと共鳴して音楽活動をやっている。尾崎にも尾崎のルーツがまたどこかにある。そうやってルーツを辿っていくことで見える道筋がある。そこを大事に活動し続けて、今は尾崎のアレンジャーである西本明さんとも一緒に活動している。

背景を感じ取りながらサインをキャッチして生み出していくと、ちゃんと未来はつながっていくんだよね。そうやって自分自身の土壌を、自分自身の土壌になってくれた存在にとっての土壌に対してまっすぐであり続ければ、その土壌が僕らを応援してくれるんだよね。

これは食とか音楽に限ったことじゃなくて、その土壌は皆の中にある。人それぞれ感動したり美味しいと感じたりするポイントは違って、その響いた内容というのが自分の音を持っている。大好きなものを、音を、食を散りばめていくことで、大好きな食を重ねていけば、誰もがさらによくなっていく。自分自身や身近なところに目を向けて自分の命を輝かせえることを続けていきましょう。それがやがて地球、宇宙がよりよくなっていくことにつながると思っています。

3. 歌に浸る

ここで中田雅史氏の歌声が奏でられる。

1. 「ぞうさん」

中:最近またつながりが深まった安来節の伝承者・青山知架夫さんが大好きな人の一人に、童謡「ぞうさん」を作詞したまどみちおさんという人がいます。『ぞうさん、いいんだよ』と青山さんが勧めてくれたので。彼らの世界観は、技巧越えた先の無垢な精神性を追及してきた人たちの世界観で。この歌は、そのまんまを歌っているように聞こえるんですけど、でもそこにすべてがある感じがします。事実本質真実の3つを極めなさいと青山さんは僕に言ってくれていて。だから自分はそこに意識を向けています。では1曲目、ぞうさん。

優しく、しんみりとした歌声が会場を包み込む。あれほどまでにメロウなぞうさんを、筆者は初めて聞いた。

2. 「ただ氣持ちよく生きていたいな」

祐:氣持ちよく生きるというのは、テロワールに結びつくマインドだよなって思います。

氣持ちよく生きたい。

それは、誰もが心の底に持っている、最もシンプルな本音なのではないだろうか。

心の声を代弁してくれる素朴な言葉たちが、テンポ良くジャカジャカなるギターの音色に乗せられて、響きを発する。

sansaの澄んだ空間にもぴったりの選曲だ。

3. 「君が生まれてから」

中:尾崎豊に共鳴した僕は彼との共鳴が激しくて(笑)京都でライブをしていた時に声かけてくれた人が尾崎のバックバンドでギターを弾いていた人だったり、東京に行くよう尾崎に言われているような気がして行ったら、彼の曲をアレンジしていた西本明さんに呼ばれたんだよね。没後20年のイベントをやっていて、ファーストアルバムの収録メンバーがそろっていた。その場所で、息子の尾崎裕哉さんと会えた。尾崎と会えることはないと思っていたのに、裕哉さんと話したら、会えた気がして嗚咽しちゃった。(以下、尾崎豊の話が続く。)

温度感が自分の知っている音楽のシーンとは違う、冷たいメジャーの世界を目の当たりにした時、自分の素晴らしいと感じる音楽を貫いていこうと思ったんですね。その翌年に震災があって、自分は声が出なくなる体験をしました。そのお陰で足元を見ることができました。その先で、こんなに素晴らしい仲間たちと音楽を奏でられていることに幸せを感じています。

次は、家族の歌を歌いたいと思います。自分を生んで育ててくれた両親、家族という自分と一番近いところの存在に恩を感じ、次に紡いでいくことが生きていくうえでの力になると思います。娘が生まれたので、この子が豊かであることを願った曲を歌いたいと思います。

いや、尾崎の歌じゃないんかーい。

思わずツッコミを入れる。

中:尾崎の歌はね、昨日歌ったからいいや。

全く持って彼らしい。会場は和やかな空気に包まれている。

両親を始めとした自分のルーツに宿る愛を受け取り、新しい命への愛を語るこの歌を聴いている間、不思議な浮遊感を覚える。

忙しさに追われることで忘れてしまいがちな命の奇跡に想いを馳せる瞬間となった。

4. 音に聴く身体の声

その1. オーリングテスト

祐:今から、音を通して体の声を聞いていくデモンストレーションをします。まず、二人一組になってください。検査される順番を決めてください。

最初に検査される人は、右手でOKサインを作ってください。

検査する側の人は、この人のOKサインを一生懸命引き離そうとしてください。

最初は何も持たずに、2回目はこの水の入ったコップを持って検査していきます。時計等をつけている人は、外してくださいね!

始めのデモンストレーションは。無意識の声を聴く、オーリングテストだ。

コップに入った水は、健康な臓器の音を移した水だという。

健康な人であれば、この水を持っている状態の方がOKサインを引き離しにくいらしい。

筆者は残念ながら、水を持った時の方が簡単に引き剥がされてしまった。

祐:水を持った時の人の方が力が入らない人は、自律神経が乱れていることが多いです。

なるほど。思えば最近、眠りが浅い。

祐:該当する方は、朝日の光をしっかり浴びたりしましょう。

このオーリングによるチェックは、心身に必要なものかどうかを判断するのに役立ちます。

コーヒーが好きでよく読むけど、飲むと疲れやすくなる方も多いです。そういう方は、ニッケルアレルギーの疑いがあります。その場合、健康といわれている玄米なんかも止めておいた方がいいです。

中:都会って田舎に比べて音が多いけど、その辺りは音のスペシャリストとしてどうですか?

祐:音のすべてが悪いわけではないんだよね。無音な状態というのは、存在しないんですよ。

サバンナに行って録音してみると、結構色々な音がする。

だから、都会だからとか自然がいっぱいだからというのはあまり関係ない。

大事なのは、自分が心地よいと思える環境に身を置くことです。

トピックは、音の話から水の話へ移る。

祐:水って、表面と中で組成が違うんです。知っていましたか?知っている人、さすがです!H3O2-と言って、中のH2Oとは違うんです。表面の部分の水は、情報を記憶します。人間の身体を作っている水も、実はこのH3O2-なんですよ。液晶水という言い方をします。

この状態の水が、人間を始めとした生物を健康にすると言われています。

果物が健康を促進してくれるのも、果物の細胞に含まれる水は、全てH3O2-だからということも大きい。

ちなみにこのH3O2-は赤外線で増えます。つまり、日光を浴びれば健康が促進されるし、

反対に日の光を浴びないと、健康から遠ざかってしまう。

疲れたときに散歩して日光を浴びたりサウナに行ったりするのは、H3O2-を増やしてくれる働きがある。

日本人はそれを知っていたから、結婚式に面積の広い杯でお酒を飲むんだと思います。そうすれば水の表面積が広がって、晴れの日の情報を記憶したH3O2-が増えるから。

お水を飲む時は、表面張力ギリギリのところまで水を汲んで、表面だけ飲むようにすると健康にいいんですよ

その2. 

健康な臓器の音を発するスピーカーを身体の様々な箇所に近づける。

すると、その音が、ある箇所で小さくなったり高くなったりすることに気付く。

その場所は、エネルギーの乱れが起こっている場所なのだと鈴木祐可子女史は言う。

この日は参加者の中から、二人が音を見てもらった。

「あなたは、エネルギーの中心がずれていますね。肩、痛めてます?」

「ここで高い音が消えていますね。お腹弱いですか?」

「甲状腺に問題を抱えている方は、思ったことを中々言わない方が多いです。それがお腹を弱くしているというのもありますね。朝会社に言って苦手な人に会っても笑顔で『おはようございます』と言う。社会的には必要とされていることですが、心身には負担がかかっているんです。何でもかんでも我慢しすぎると、エネルギー体に異常が出てしまうこともあります」

診断を受けた参加者いわく、上司の理不尽さに苦しんでいたそうだ。

上司が相手では、全く我慢せず思ったことを言うのは確かに難しい。

祐:そしたらね、カラオケに行ってその人の悪口を声に出してください!自分の声で出した方がいいんです。そうじゃないと、その負担が自分の身体や心を傷つけてしまう。それでだんだん病気になっていくんです。いい人、いい彼氏彼女、いい旦那、いい妻、いい親でいることが健康にいいとは限らない。愚痴とか文句は、音にして出した方がいいんです。音に出すと言うのはとても大事なことなんです。感情を音にして、言葉できちんと出せば、溜めなくて済むんですよ。はい、終わり!

(え、具体的には何をしたのだろうか?)

祐:スピーカーを身体に近づけるのには、エネルギーがずれている場所が分かるだけではなく、健康な臓器の音と共鳴させて身体のエネルギーを整えるはたらきもあるんです

音ってこんなにも万能な存在なのか。驚きを隠せなかった。

まるで、ドラえもんの道具みたいだ。

祐:音は色々な情報を私たちに教えてくれます。例えば今は喉のエネルギー体が強かったんだけど、こちらの方が本音を話してくれた時にヒュっと正常な音に戻ったんです。本当はどうしたいのか、本音ってすごい大事なんですよ。だからたまに音に出してすっきりすることを大切にしていきましょう。

デリケートな話が多かったため詳細は割愛するが、心のうちを吐き出してデモンストレーションが終わった後の参加者の声には、実験前に比べてハリが感じられた。

ソガイハルミツ氏も実験を受けるが……

祐:特に問題ありませんね。

ソ:僕に問題があるとすれば、性格が悪いことくらいかな(笑)

祐:性格が悪い人って、幸せに生きられるんですよ(笑)

冗談交じりに話す鈴木祐可子女史。

2時間半にわたる会も、締めの時間が近づく。

祐:雅史さんから共鳴の話がありましたが、例えばギターでドの音を鳴らすと、空間中のドの周波数を持つものが共鳴します。ピアノでドを弾くと、すべてのドの弦が少し鳴るんです。違う周波数帯のものは基本的に鳴りません。

そしてこれは、病気も一緒なんです。会の前半でも話しましたが『病気になりたくない』と思ったとき、病気をイメージしてしまっているんです。結果、病気を呼んでしまうんです。同じように『コロナウイルスが怖い』と思うと、コロナウイルスと共鳴して結果呼んでしまう。

それならどうすればいいのか?

『健康』でいましょう。そして、健康でいて何がしたいか、何を叶えたいか。そこにイメージを働かせてください。

そうすると、脳は健康とそれに必要なお金や状況を集めてくれる。

否定形ではなく、純粋な願いを肯定形で描きましょう。

夢は未来に共鳴しているんです。未来のあなたに実現できることが、夢として現れてくるのです。

私のお客さんで50年以上アトピーに苦しんでいた男性がいました。健康になって何がしたいですかと聴くと『僕はドラマーなんですよ。ドイツのベルリンに渡って、そこで演奏がしたいです』とのことです。彼はその後アトピーを止め、ドラムを車に積んでロシアを横断してドイツに入りました。ベルリンって家を借りるのが結構大変らしいんだけど、ドラムを叩いていたらたまたまベルリンに住んでいる日本人に会ったんですって。家を探していると言ったら、その日本人は大家さんだったらしくて、すぐ借りられたんです。彼は今一時帰国していますが、向こうに住むつもりだといっていました。

それは彼に限ったことではなくて、皆さんも同じなんです。あなたが見た夢は必ず叶いますから、そこに向かって歩みを進めていってください。

そのために健康でいましょう。

今回に限らずどんな天変地異が来ようと、どうなりたいのかという心からの思いこそが、人生を変えていきます。

このご時勢で外出してイベントに来てくれている時点で、皆さんはコロナとは共鳴していないと思いますが(笑)

最後は中田雅史氏がTerroir seedsの展望について語る。

中田家が根を張りテロワールを醸す土地、銭函への想いを込め、オリジナルソング「この海超えて」を熱唱。

新型コロナの影響もあって小規模ながらも、温かい空気に包まれて会は幕を閉じた。

閉幕後も、参加者と主催陣が語らい、盛り上がる時間が続いた。

これから先のTrroir seedsの予定や中田雅史氏の具体的な活動、たった5分で悩みの根本を解明できる鈴木祐可子女史の「ライフスキャン体験会」やソガイハルミツ氏の新書「やまの会が語った 死ぬと生きる」と、主催者やゲスト陣の活動に一層興味を持つ人も多かったようだ。

・合同会社テロワールリンク:https://terroir.link

・中田雅史−Official web site: http://nakatamasashi.com

・中田雅史オンラインサロンTerroir village:https://village.terroir.link/about

・合同会社アウワ代表鈴木祐可子
ライフ・スキャン体験会申し込みページ:https://www.auwa.org/lifescan

(人生を変える意志がある人はおススメです。)

・シゼントトモニイキルコト 曽我井 陽充(ソガイ ハルミツ)HP:http://farming.shop-pro.jp/

(ソガイ農園でできた無農薬野菜やジュースを購入することができます)

・『やまの会が語った 死ぬと生きる』 購入ページ:http://farming.shop-pro.jp/?pid=146475550&fbclid=IwAR2oxFORcGW4yrqvTaYGB9yVE-KdesGDE05UTA58YVhoA3dM0jsGyu5hQsU

そして、本イベントの開催場所であるsansaにも、是非足を運んでみていただきたい。

・世界各国の生ビールを最適のグラスで飲めるビアバー、sansa(サンサ)

(東京メトロ千代田線 赤坂駅・5番出口から徒歩5分)

HP: http://beersansa.info/

まとめ

本イベントでは、歌・音・食のスペシャリストがそれぞれの観点から、テロワールを語り、参加者たちと分かち合った。

想いを乗せて感性にはたらきかける「歌」・物理現象である「音」・生きていくために欠かせない「食」全く違う分野を日々極め続けている3人だが、イベント中の会話はボーダレスに化学反応を起こし、次々と本質に肉薄する話が展開されていった。参加者も一人ひとりが何かしらの話に強い関心を持ち、共鳴していた。それは単なる興味ではなく、それぞれの人生で日々向き合っていることがらと深く結びついているように感じられた。

中田雅史氏、鈴木祐可子女史、ソガイハルミツ氏3人に共通するのは、自分たちの考え方を伝えるに留まらず、それらを触媒に一人ひとりに「自分自身」の感覚・感性に目覚めるよう促しているところだ。人生はその人自身のものでしかなく、その人の中にすべての答えがある。

それを確信し、情報を選択肢として託すその在り方に、筆者はとても共感を覚えた。

Terroir seeds はこれから、全国で展開されていく。

自分自身の心の中にある風土・故郷を思い出すきっかけとなるこのイベントは、タンポポの綿毛のように世界中に広がっていくことだろう。

(というか、筆者も純粋に、再び参加したい気持ちでいっぱいです、はい)

それにしてもsansaのビールは飲みやすくてとても爽やかな味わいだった。

ビールに対するお店のこだわりはもちろんだが、あのお洒落な空間で飲むからなおさら美味しいのだろう。

お洒落なバーに興味がある人は行ってみてはいかがだろうか。

素敵過ぎて、自分だけの行き着けの店にしたくなるくらいの名店である。

メニュー名がシンプルで、肉料理が「牛」「鴨」等の動物名で記載されていることは、思わずツボに入ってしまった。

【主催者プロフィール】

中田雅史-Masashi Nakata-

北海道島牧村出身。銭函在住。

北海道を拠点に旅をしながら、風土とつながり、奏であうテロワールシンガーソングライター。プロデューサー。

雄大な自然を想起させる詩の世界観と深く温かな歌声、アコースティックギターで奏でる楽しさと優しさと懐かしさの同居する曲は、聴く人のココロとカラダを不思議と調和していく。 各地での様々なスタイルで行うライブ以外にも、音楽プロデュース・講演・銭函フェスの主宰・楽曲提供・配信・TV・ラジオ・youtubeチャンネル「masashihouse」・WEB MEDIA「Terroir.link」・顔の見える暮らしの実践・地域おこし、オンラインコミュニティ「Terroir village」の村長を務める等、多方面に活躍の場を広げている。

【ライタープロフィール】

小林敦

東京生まれ東京育ち。

人の人生のインタビューし、その人の本質に触れる物語を書くノンフィクションライター。

イベントのレポート等も取材・執筆している・

分かりやすい文体と、人の内面描写に定評がある。

ちなみに内面描写に力を入れるのは、人の心への尽きない興味が源泉である。

公務員、旅人、経営者、フリーランス等、ミュージシャン等多様な人の物語を執筆している。

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